マイナスイメージはもう古い、成長する会社が利用すべき公的資金とは
緊急融資やセーフティネットにとどまらない公的資金の内容とは
みなさん、こんにちは。
前回は、公的資金の提供先は、「広く浅く」から「やる気のある中小企業」に変わったという話をしました。
中小企業新事業活動促進法(経営革新)の承認は、国が「やる気のある中小企業」かどうかを判断するためのメルクマールです。
「この承認を得た会社にだけ、公的資金をしよう」というのが、今の国の考え方です。
利用者側のみなさんは、公的資金や公的支援にどんなイメージをもつでしょうか?
従来、公的資金を受けた会社が翌年には倒産するケースも多かったため、「傾いた会社に国がお金を貸す制度」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
一方、そこまでいかなくても、「ウチは公的資金を利用している」という会社経営者の方もいると思います。
いわゆる緊急融資、セーフティネット、と呼ばれるような融資です。
これらは、昨年より売り上げが下がったために一時的に受ける公的支援制度です。
ここまで聞くと、程度の差はあれ、公的資金から後ろ向きなイメージが抜けないかもしれません。
しかし、公的資金には、もう一種類あることをご存知でしょうか。
成長する中小企業が利用する、前向きな公的資金とは
公益支援には、これまで述べた「後ろ向きな公的資金」以外に、もう一種類あります。
それは「前向きな公的資金」です。
両者の違いは、大きく2つあります。
一つは、考え方の違いです。
後ろ向きな公的資金が、「売り上げが下がったので、補てんするためにお金を貸してください」というものなのに対し、前向きな公的資金は、「今後会社が伸びるのでお金を貸してください」というものです。
たかが考え方の違いではありません。
この考え方、意欲の違いが、実際に受けられる融資の内容や、会社経営にも大きく影響するのです。
もう一つの違いが、利用できる会社の違いです。
後ろ向きな公的資金は、前年より売り上げが下がったなどマイナスを補てんする必要がある会社なら、比較的容易に受けることができます。
これに対して、前向きな公的資金は、これから成長しようとする会社が受けることができます。
しかし、公的資金・公的資金の出所は税金ですから、社長が前向きになっただけでは簡単にはもらえません。
公的資金をするにふさわしい会社だと、国に認めてもらう必要があります。
次回は、前向きな公的資金が受けられる会社になる方法について解説します。