経営革新の承認があればできる融資額を増やす方法とは?-承認のメリット融資編8
経営革新計画の承認を受ければ有利に利用できる新事業活動促進資金
みなさん、こんにちは。
前回、日本政策金融公庫の低金利融資制度である新事業活動促進資金について紹介しました。
今回は、新事業活動促進資金を利用して、受けられる融資額を最大限に増やす方法をお教えします。
ここで簡単に、新事業活動促進資金について復習しておきましょう。
新事業活動資金は、国民生活事業の場合、設備資金として7,200万円(うち運転資金4,800万円)を、低金利で借りられるというものです。
利用条件によって適用される利率が変わる中でも、経営革新計画の承認を受けて利用する場合は、基準金利が1.25%なのに対し、特別利息C0.35%という低金利で利用できるということをお話しました。
しかし、経営革新計画の承認を受けていれば、新事業活動資金に加えて、さらに利用できる資金を増やすことができるのです。
経営革新の承認があればできる、保証協会の別枠と組み合わせて融資額を増やす方法
新事業活動促進資金の担保徴求の特例を利用して、さらに融資枠を増やす方法とは、経営革新の承認を受けることで利用できる、保証協会枠の追加制度を組み合わせる方法です。
と言ってもわかりにくいので、ここでは具体的なケースを例に挙げて説明したいと思います。
飲食店を営むA社は、新事業を軌道に乗せるために、2,000万円の借り入れを希望しています。
A社の保証協会の枠は2,000万円ですが、既存の保証協会付きの借入が2,000万円、つまり保証枠いっぱいで借りている状態です。
A社の社長が銀行に融資の相談に行っても、「まずは保証協会付きの融資を返さないと…」「うちはプロパーでは貸せない」と言われるばかりです。
しかし、この状況でも、融資を受けることは可能です。
そのために必要なことは、「経営革新の承認を受ける」ことです。
経営革新の承認を受けるとどうなるでしょうか。
以前ブログで説明しましたが、経営革新の承認を受けられれば、最大8,000万円の保証協会の別枠ができます(全ての企業が上限8,000万の保証枠をもらえるわけではなく、会社の与信状況によって異なります)。
A社の場合、無担保保証枠は2,000万円です。
そこで、経営革新の承認を受けることで、さらに2,000万円の無担保保証枠が追加され、融資を受けられることになるのです。
但し、これは制度上のお話で実際の融資には、会社の決算状況、交渉の仕方によって審査の結果は異なりますのでご留意ください。
いかがでしょうか。
経営革新の承認を受けられると、まず新事業活動促進資金を基準金利より低金利で融資を受ける資格が得られ、さらに保証協会の別枠を組み合わせることで、さらに大きな融資を受けることができるのです。
次回は、経営革新の承認を受けたらぜひ利用したい、10年間返さなくてよい融資制度をご紹介します。