事業資金融資や助成金の基本になる-経営革新計画で押さえておくべき事業計画の詳細フェーズとは
事業資金融資や助成金の基本になる、事業計画のポイントとは
みなさん、こんにちは。
前回のブログでは、経営革新計画の申請書を作成する際に、自社の事業計画を意識すべきであること、その際に押えておくべき、「自社の強みを知ること」「マーケットを知ること」「事業展開の可能性を知ること」「収益可能性を知ること」という4つの基本フェーズについて説明しました。
事業計画の基本フェーズを押さえたら、次に詳細フェーズを見ていきましょう。
きちんと考えられた事業計画は、助成金・補助金・提案型委託事業・事業資金融資などの基本になります。
資金調達の一部も期待できる重要な要素になるので、ぜひしっかりと理解してください。
実現可能な収支予測や資金計画を検討すべき、事業計画の5つの詳細フェーズとは
事業計画の基本フェーズを押さえたら、次に考えるべきポイントは次の5つです。
それは「自社の課題を知ること」「事業展開の予定を決めること」「価格を設定すること」「収支予測を作成すること」「資金計画を検討すること」です。
①自社の課題を知ること
新しいチャレンジをする際、つまり自社の技術やノウハウ、開発などを事業化・製品化する際に、どういう問題点があるのかを分析します。
ただ羅列するのではなく、重要度・緊急度ごとに整理すること、問題点の原因も分析すること、解決策も検討することが大切です。
とはいえ、自社の問題点は内部の人間からは見つけにくいことが多々あります。
専門家など外部の意見を聞きながら、客観的に検討してみることも必要かもしれません。
②事業展開の予定を決めること
事業展開の予定は、1ヶ月の短期計画と、3~5年の中長期計画の2本立てで考えましょう。
人材の確保を含めた開発・設計・出荷までのプランや、PR方法・営業活動など、事業のベースになる部分から順を追って検討してみてください。
③価格を設定すること
製品やサービス料金の価格は、単に原価と経費の関係から割り出すだけでは不十分です。
仕入れ額や開発費、販売経費などを項目別に算出すると同時に、マーケットの動向も注意して価格を設定し、売り上げの予測を立ててください。
売上げは、3~5年先まで、収益項目別に計算します。
原価と競合他社の価格を参考にしつつ、売上が変化する根拠を示すことが大切です。
時々、1年で数十倍の売上げを計上する人がいます。
頑張って売上げを上げようとする意気込みはいいのですが、根拠のない売上げの予測は、事業計画全体の信頼性にも関わるので気を付けてください。
④収支予測を立てる
収支予測は、新しいチャレンジの新規事業と、既存の事業を合わせた営業利益・経常利益の積算になります。
合算した収支の3~5年分を積算して何年後に黒字に転換できるか、既存事業と新規事業のバランスを明確にして検討しましょう。
⑤資金計画を立てる
資金計画を立てる際には、既存事業の収益がベースとなる自己資金、増資の可能性、民間金融機関等からの借り入れの可能性など、現実的なプランを検討します。
加えて、補助金や助成金などが得られる場合はその期待額、逆に得られなかった場合に備えた対策についても検討しておきましょう。
実際の申請書は、各都道府県や中小企業庁のホームページなどからダウンロードできる場合が多いので、一度見てみてください。
実際見てみると、意外に項目が多いとか、詰め切れない部分がある等の悩みが出てくる方は多いと思います。
そんな時は、経営革新計画の承認や、事業計画のアドバイスの経験豊富な専門家に相談されることをお勧めします。