経営革新計画の承認を得る申請書の書き方-事業計画の基本フェーズとは
経営革新計画の申請書で意識すべき書き方とは
みなさん、こんにちは。
前回のブログでは、「低利融資」の活用を目的とする場合、申請書を書くときは銀行に提出するつもりで書くべきだということをお話ししました。
銀行の融資窓口に提出する書面で重要なのは、「事業計画」です。
中小企業の社長さんの中には、きちんと事業計画書を書いたことがない、そもそもあまり考えたことがなかった、という方もいるかもしれません。
しかし、これからどういう経営をして、3~5年後にどれだけの売上げを上げる予定なのか、合理的に数字で示すことが不可欠です。
今回は、具体的にどういう点に注意して書いたらよいか、そのポイントを解説します。
事業計画を考える際に考えておきたい4つのフェーズとは
事業計画といっても、何から手を付けたらいいか分からないという方には、まず、事業計画の基本フェーズを押さえることをお勧めします。
具体的には、「自社の強みを知ること」「マーケットを知ること」「事業展開の可能性を知ること」「収益可能性を知ること」の4つがその内容です。
①自社の強みを知ること
経営革新が認められる「新しいチャレンジ」とは、まったくの異業種に挑戦することに限られず、会社の経営理念を守りつつ、より成長できるような事業に取り組むことが大切だと、以前お話したことがありますね。
これまで、ペンの開発やたこ焼き屋さんの事例で具体例を挙げてきましたが、要は新しいチャレンジに「先進性」と「独創性」があることがポイントです。
「これは自社の強みだ」と考えられる開発や事業展開、技術やノウハウを、「先進性があるか」「独創性があるか」という観点から、一度整理してみるとよいでしょう。
②マーケットを知る
マーケットとは、製品やサービスを買ったり、買う見込みがある個人や組織のことを言います。
いくら自社の製品やサービスが素晴らしくても、既に競合ひしめくレッドオーシャンの状況では勝てない可能性がありますし、そもそもニーズのないマーケットに挑戦してもリスクが高くなるばかりでリターンが望めない可能性があります。
③事業展開の可能性を知ること
事業を展開、発展させるための要素には何があると思いますか?
それは、「人」「モノ」「金」「情報」です。
事業を展開するのに役立つ人脈や人材があるか、これまでの事業の成果物があるか、自己資金や借入のめどはついているか等、自社の状況を、この4つの観点から分析してみましょう。
④収益可能性を知ること
収益可能性を知るには、「何を売ってどう儲けるのか」という要素を押さえることが大切です。
プラスの要素として、何がどれだけ売れるか、手数料や請負でどれだけ収入があるかという点が考えられます。
他方、マイナスの要素として、仕入れや製造原価にいくらかかるか、人件費や初期投資にどのくらいかかるかという点があります。
これらのプラスとマイナスの両要素を勘案して、どれだけの収益可能性が見込めるのかを、まずは考えてみましょう。
いかがでしょうか。
これらは、あくまで事業計画の基本の部分ですが、少しイメージが湧きましたか?
次回は、もう少し詳細な内容について説明します。