ローコストで実現できる、たこ焼き屋が合格した経営革新の具体策
合格率1割の壁を超える、改革レベルの工夫とは
みなさん、こんにちは。
前回、不合格レベルの経営計画から、合格率1割の壁を超える経営計画にするには、事業を改革するレベルの独創性が必要というお話をしました。
今回は、前回ご紹介した、赤字経営から売上げ5倍の飲食業に成長した「たこ焼き屋さん」が、実際にどのような独創性のある計画を立案して経営革新計画の承認を受けたかという具体例を紹介します。
当初、たこ焼き屋さんはこういう状況でした。
- 赤字経営
- 夜はお酒を出すが売り上げが伸びない
- これからどうしたらいいか分からない
私が社長に提案したのは、一軒のたこ焼き屋さんを、昼夜全く別の店にするという計画です。
ローコストでも実現できる、計画革新の承認が受けられる新事業の具体策とは
まず私が社長に提案したのは、たこ焼き屋の「新しいチャレンジ」として、夜、お酒を出すことでした。
ところが、社長は「お酒はもう出している」と言うのです。
たしかに、その店では、昼はたこ焼きを売っている店内で、夜はお酒も飲むことができました。
しかし、昼に出されるお茶が、夜はビールや酎ハイに変わっただけでは、「改革」とは言えません。
「新しいチャレンジ」とはそういうことではありません。
昼間のたこ焼き屋が、夜は雰囲気のいいバーになる、そういう独創的な具体策が必要なのです。
実は、この計画には、大きな投資は不要です。
たこ焼き屋の看板をバーの看板に変え、室内の壁の雰囲気を変えるのは、ロールスクリーンを下げれば簡単にできます。
普段使っているテーブルも、クロスを変えれば夜の店にふさわしい雰囲気に様変わりします。
このように、一店舗で昼夜別の飲食業を経営するという独創性、つまり既存の事業に付加価値をつけて新しい可能性を生み出す独創性が盛り込まれた計画、これは新しいチャレンジとして認められます。
ローコストで店のあり方を大きく変えることで、このたこ焼き屋さんは、合格率1割の壁を超え、経営革新計画の承認を受けることができました。
経営革新が認められたことで、取引銀行からの新規融資も認められ、いまやご相談当初の5倍の売上げをあげる、人気の飲食店となっています。
いかがですか。
大きな投資がいらないなら、是非やってみたいと、気持ちを新たにされた方もいるでしょう。
まずは、皆さんご自身でも、自社の新しいチャレンジで何ができるか、考えてみてください。
次回は、経営革新計画の提出の際に注意すべきポイントを解説します。