借りると自己資本比率が増え格付けが上がる融資制度とは?-承認のメリット融資編11
融資を受けても金融機関の格付が上がる10年一括返済とは
みなさん、こんにちは。
今回は、10年一括返済融資のもう一つのメリットである、借りても金融機関の格付が上がるという点を解説したいと思います。
まず、通常の融資のケースを考えてみましょう。
貸借対照表をイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、通常融資を受けると負債が増えます。
負債が増えると自己資本比率が下がります。
融資の貸し手である銀行は、中小企業の格付が下がると貸倒引当金を積まなければなりません。そのため格付の低い中小企業への融資を渋るようになります。
しかし、10年一括返済制度では、その心配が不要になるのです。
今こそ借り時、融資を受けると資本が増えて優良企業に仲間入りできる
10年一括返済制度の2つ目のメリットは、借りても、金融検査上の負債が増えないということです。
この融資制度では、融資を受けると、借りたお金が資本に組み込まれます。
つまり、10年一括返済融資を受けると、自己資本比率が上がり、格付が上がることになります。
一般的に、金融機関から融資を受けるキーポイントとなるのは、自己資本を増やすことです。
ただし、自己資本を増やすと、その分税金を多く支払わなければならないというデメリットが伴います。
納税をデメリットというと語弊があるかもしれませんが、税金を進んで納めたいという人の話はあまり聞きませんし、資本金の調整をして節税をしている方が大半でしょう。
しかし、この10年一括返済で受ける融資は、金融検査上で資本に組み込まれますが税金はかかりません。
自己資本が厚くなるのに税金がかからない、しかも優良企業の仲間入りができる、これが10年一括返済制度の大きなメリットなのです。
いかがですか。
10年間返さなくてよく、借りると自己資本が厚くなる融資、私はみなさんにぜひ利用してほしいと思っています。
特に、初期投資がかかるけれど、その後は長期的な売り上げが見込まれるような経営革新の新規事業には最適な融資制度と言えるでしょう。
とはいえ、この10年一括返済の融資制度は、メリットの多い反面、申込手続きや必要書類も多岐に渡ります。
ハードルが高いと思われるかもしれませんが、私たち認定支援機関のサポートを利用して、ぜひ挑戦してください。
次回は、民間金融機関の優遇融資について説明します。