返済しても保証枠が増えない緊急制度融資の注意点とは?-承認のメリット融資編4

2016.01.29投稿者|カテゴリー|公的資金

緊急融資で消える保証枠の今後とは

みなさん、こんにちは。

前回の、緊急融資やセーフティネット貸し付けが実は同じ融資内容で、ほとんどの場合で保証枠が使われているという話を読んで、驚かれた方もいるかもしれません。

ただし、保証協会の枠を利用するとはいえ、いわゆる緊急融資は保証協会の別枠が使われます。

 

しかし、別枠なら安心というわけではありません。

実はこの別枠は、もう終了する方向で進んでいるからです。

「緊急経営対策資金」の廃止を受けて、いわゆる緊急融資の対象企業は、一旦増加しました。

 

ところが、2年前から、緊急融資を利用できる業種は3か月ごとに見直され、徐々に減らされているのが実情なのです。

今すぐ廃止になるというものではありませんが、いずれにしても緊急融資制度は終わりに向かう制度です。

 

この緊急融資制度が終了すると、これまで使っていた保証協会の保証枠の別枠もなくなります。

別枠がなくなっても、本来の枠には影響しないから大丈夫だと思う方もいるかもしれません。

保証協会の保証枠は、根抵当と同じです。

保証残高のピークの範囲内であれば、借りても返済した分だけ借りることができます。

いわゆる折り返しです。

 

しかし、今まで利用していた別枠がなくなると、返済してももう無くなる枠なので、返済した分だけ新たに借りられるというわけではなくなる=折り返せなくなるのです。

加えて、保証協会の返済は、別枠分から充当される仕組みです。

緊急融資はそのままに、本来の枠分を減らしておくということはできません。

 

ですから、このピークは大変重要です。

今、保証協会の利用が必要ではない企業も、業況が良いときに保証協会をあえて使うということも経営判断の一つということになります。

 

今だからこそ保証枠の別枠を用意しておくべきワケとは

「近いうちに資金が必要だから、まずは今の緊急融資分を返済して枠を作っておこう。」

そう考えて一生懸命返済しても、返済した別枠がなくなり、本来の枠も減らせず、必要な時に借りられないため資金が準備できない。

会社を経営する上で、このような事態を避けるためにしておくべきことは、保証協会の枠を増やしておくことです。

そのためには、中小企業新事業活動促進法(以下経営革新)の承認を受けることが重要です。

 

経営革新の承認を受ければ、保証協会の保証枠を増やすことができます。

今、借りている融資を返済するかどうかは関係ありません。

目先の資金だけでなく、将来的な資金の必要性を見据えて保証枠を増やしておくこと。

必要なのは、返済ではなく経営革新の承認をうけること、となれば、承認を受けない理由はありません。

 

次回は、保証協会以外の資金獲得の方法、融資制度について解説します。

 

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